各科だより

令和元年度

20190517

校長

 愛知県立岡崎工業高等学校同窓会(岡工会)会員の皆様におかれましては、ますます御清栄のこととお喜び申し上げます。また、平素より本校の教育活動に対しまして、暖かい御支援と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 本校は今年をもって創立107年目(私立愛知工芸学校)を迎え、大正9年岡崎市中町に移転し99年目(私立岡崎工芸学校)となりました。その間には幾多の歴史を乗り越え、西三河地区を代表する伝統ある工業高校として「ものづくり愛知」を支える人材を多く排出してまいりました。
 今春、292名(全日制268名、定時制24名)の卒業生が社会に羽ばたいて行き、そして、新たに309名(全日制278名、定時制31名)の新入生を出迎えることができました。
 元号は、「平成」から「令和」に改元され、新たな時代の始まりとなりました。現在、新たな社会としてSociety5.0が進められており、AI、IoT、ロボット、自動車のCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)などの先端テクノロジーによって新時代はおそらく、あらゆる産業で、その構造自体が大きく変革していき、技術革新によって社会環境も日々変化しております。
 そのような中で、学校において社会環境の変化に対応できる人材育成を行っていかなければ成りません。我々教職員は、「誠実・勤勉・健康・実力主義」の校訓の下、本校の歴史と伝統を重んじ、心身ともに健康で困難に耐え、工業人として必要な知識と技術及び望ましい態度と習慣を身につけ、勤労と責任を重んずる心豊かな人間を育成すると共に、地域社会から求められる社会人の育成に励んで参ります。
 今後とも会員の皆様の御期待に応えられるよう生徒の育成に全力で取り組んでいく所存ですので、御指導、御鞭撻の程よろしくお願いいたします。
同窓会のますますの御発展と会員の皆様の一層の御活躍と御健勝を祈念申し上げます。
 平成31年4月                   
                 愛知県立岡崎工業高等学校長  岡田 良弘

機械科

 平成30年度も愛知工業大学が主催する、AITサイエンス大賞ものづくり部門で優秀賞を獲得しました。これで、3年連続の受賞となりました。課題研究という授業で、2足ウォークマシンを研究・製作しました。その内容のプレゼンテーション・まとめを評価された結果です。県内外から多くの高校が参加する中での快挙です。
 技能検定に多くの生徒が合格し、技能士となりました。複数の職種・作業に合格する者も多く、意欲に充ちた生徒達は頼もしい限りです。卒業後も先輩方以上に頑張ってくれることと思います。
 他には、EVカーを製作してレースに出場、企業と共同でコマ大戦に出場するなど多彩な活動をしています。
 本年も多くの生徒が活躍しますので、応援をよろしくお願いします。


EVカー

指差呼称


機械デザイン科


化け猫の山車

 岡工会の皆様には、ますますお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。
 30年度も機械デザイン科の主立った活動のひとつである資格・検定への取組みについて、熱心に取組むことができました。技能検定について、前期検定では3級14名(内女子4名)、2級5名(内女子1名)が合格しました。後期検定では、3級8名(内)女子3名、2級4名(内女子1名)が合格しました。残念ながら、3級機械検査で学科試験の不出来のため、不合格になった生徒が多数いました。この件について反省して、次年度につなげたいと考えています。また、機械検査2級は相変わらず難関でした。生徒への刺激になればと、学科主任も検定にチャレンジするなかで、取組み方法を工夫したことが功を奏して、初めて2年生の女子を合格させることができました。
 また、県内の検定資格取得の合計ポイントの最上位者に与えられるグランプリについて、昨年に続き授与されました。過去5年で4回目の受賞になります。
 2年生を対象に実施される企業研修の参加状況は岡崎商工会議所主催のものづくり基盤人材育成事業では16名、県教育委員会主催の知と技の探究講座には4名が参加をしました。そして、成果発表が持たれましたが、立派に発表をすることができました。
 さらに、課題研究では「技能検定」、「3DCADによる造形」
などおなじみのテーマ以外に、「化け猫製作」、「アート溶接・サンドブラストによるものづくり」などの新しいテーマがあり、どの生徒も熱心に取組みました。「化け猫製作」は学校内の活動にとどまらず、「岡崎城下家康公夏祭り」に多数の機械デザイン科の生徒たちと化け猫仕立ての山車を引いて歩き、地域とのコラボレーションを行うことができました。さらに、「アート溶接・サンドブラストによるものづくり」班は第11回目となる愛知県工業高校生溶接競技大会のアート部門に「獅子博兎(ししはくと)」を応募して、優勝しました。 
 今後も、生徒、職員共に精進して参りますので、変わらぬご支援ご協力をお願い申し上げます。


工業高校生溶接競技大会 アート部門優勝「獅子博兎」

体育大会マスコット


電気科


 岡工会の皆様には、ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
 電気科としての取り組みのひとつである資格取得におきましては、第二種電気工事士をはじめとして、第一種電気工事士や2級電気工事施工管理技術検定、工事担任者などに多くの生徒が積極的に取り組んでいます。昨年度も第3種電気主任技術者に1名が合格するなど、多くの成果を残すことができ、ジュニアマイスター顕彰制度のゴールド24名、シルバー9名の認定者の輩出に繋がりました。また、6月に行われる愛知県高等学校工業教育研究会総合競技大会電気工事競技での上位入賞・東海大会出場を目指し、2名の生徒が日々熱心に練習に取り組んでいます。その練習を支える生徒も数多く、活力あふれる活動のひとつとなっています。
 昨年度の卒業生37名の進路状況は、一人ひとりの希望する進路を実現することができ、就職者35名、進学者2名となりました。岡工会の皆様が支えて下さることで、安心して諸活動に取り組むことができることに感謝しております。今後ともご指導、ご支援をよろしくお願いいたします。



情報技術科


 岡工会の皆様には、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
 本年度は人事異動が無く、昨年と同じメンバーで頑張っていきたいと思います。
 昨年度は、8月の若年者ものづくり競技大会のロボットソフト組込職種で、自作ロボットで大会に参加しました。上位入賞は逃しましたが敢闘賞を受賞しました。技術力の高さを評価され、技能五輪全国大会へ招待を受け大会解説ガイドと、ものづくり体験教室の指導員として大会のサポートを行いました。また、第4回県立工業高校生移動式ロボット大会において優勝・準優勝。そして、ジャパンマイコンカーラリーにおいても4年連続全国大会へ出場。にししんハイスクール・ものづくりコンテストにおいては、「スマホなどで遠隔操作できる工作物」をテーマに研究発表を行い、独創性・デザイン性などに高い評価を受け最優秀賞を受賞することができました。これらの活動をとおして生徒達の努力を結果として残すことができました。
 資格取得においては、第二種電気工事士、工事担任者総合種に合格を出し、技能士の育成においても電子機器組立てをはじめ、情報配線施工、電気機器組立てとともに充実してきました。
 卒業生39名の進路は、進学者5名をはじめ、就職も希望した企業に全員が内定をいただくことができ、これも諸先輩方のご活躍あってのことと感謝しております。今年度も引き続き、科の目標である組込技術、制御技術、情報通信・ネットワーク技術の習得を3本柱に、人材の育成に努めていきたいと思います。会員の皆様方には、今後も温かいご支援の程、よろしくお願いいたします。


レゴマインドストーム

マイコンカー

自作移動式ロボット


土木科


 岡工会会員の皆様におかれましては、平素より本校の教育活動に御協力をいただき、誠にありがとうございます。
 土木科の活動といたしましては、6月に愛知総合工科高校で行われる愛知県高等学校工業教育研究会総合競技大会測量競技に3名(Z3)の生徒が出場します。3年連続東海大会出場しており、全国大会出場を目標に、早朝より練習を重ねております。また、測量士補試験をはじめとした各種資格取得にも積極的に取り組み、県下トップクラスの成果を挙げております。それ以外には、インターンシップ、出前授業、現場見学など諸先輩方にご尽力いただきながら、将来の土木技術者の育成を行っております。
 昨年度卒業生39名の進路状況は、就職者32名のうち公務員5名(岡崎市2、蒲郡市2、豊明市1)、土木系技術職20名、製造業7名、進学者5名、その他2名が希望進路へ進むことができました。これも諸先輩方のお力添えと感謝すると共に、引き続きご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。



化学工業科


 岡工会の皆様には、お元気でご活躍のことと存じます。この春の卒業生の動向につきましては、30名が化学系・機械系の企業に就職し、3名が公務員に就職しました。さらに、3名が大学等へ進学しました。特に、化学工業科で学んだことが活かせる進路を意識して指導を行っています。卒業生のこれからの活躍を期待しています。
 資格取得では、30年度卒業生2名が化学分析技能士の3級に合格しました。今年度は、さらに多くの合格者が出せるように指導をしていきたいと考えています。また、多くの国家試験、検定試験に生徒を挑戦させ、合格者を昨年度以上に出すことと「目標に向かって、努力することができる生徒」の育成をしていきたいと考えています。
 化学工業科の部活動では、昨年同様に総合競技大会の分析競技の部で全国大会を目指した活動や生徒に実力をつけること、岡崎市理科展、青少年のための科学の祭典等のイベントにも積極的に参加し、生徒の活躍の場を増やしていきたいと考えています。
 歴史のある化学工業科の諸先輩におかれましては、今後とも相変わらずのご支援をよろしくお願いいたします。


定時制課程


 定時制課程第71回卒業証書授与式が、3月1日に岡工会会長高橋利明様をはじめ、卒業生の出身中学校の先生方のご臨席のもと挙行されました。ご多用にもかかわらず、多くの方々に御参列していただき誠にありがとうございました。
 平成30年度の卒業生は、4年生24名でした。卒業生は、さまざまな事情を抱えながらも最後まで諦めずに頑張り抜き、卒業式を迎えられました。昨年に続き4か年皆勤生徒もおり、彼らの頑張りを心から讃えたいと思います。
 令和元年度は31名の新入生を迎え、生徒総数94名でのスタートとなりました。岡工高定時制課程への入学者数はここ数年、定員を下回っていますが、定着率は向上しています。年間2回実施している学校見学会には、多数の中学生・保護者の方々に御参加いただいております。これらは教職員にとって大きな励みであるとともに、責任の重さを痛感しているところであります。本校定時制課程の教育活動をより一層充実したものにするよう努めていきたいと考えています。また、昨年度は会員の皆様には生徒の進路に関しまして、就職等で大変お世話になりました。今後とも御理解・御支援を賜りますようお願い申し上げます。